西村眞悟氏の時事通信 12月5日より
トマトを食べる写真と菅日記
先に、新聞で菅総理の毎日の動向を伝える「菅日記」など、馬鹿馬鹿しいからやめたらどうかと提言したが、国会が閉会した本日の「菅日記」を見た。
菅氏は、4日朝の10時8分に公邸を出発し千葉県のトマト農場に向かう。千葉から公邸に帰ったのは午後4時32分で、7時半頃から9時半頃まで、帝国ホテルのすし屋で食事をしている。
そして、同じ紙面(産経新聞)には、トマトを千葉の農場で食べる菅氏のカラー写真が載っている。それを見て、思ったことは、
「こいつ、アホか」ということである。
また、同じ産経新聞の7ページには、「日曜経済講座」の田村秀男編集委員の「対北朝鮮、戦略の空白」と阿比留瑠比記者の「逃げが本質の菅政権」という二つの論説が掲載されていた。
従って、この二つの論説によって、「こいつ、アホか」という思いが裏付けられたことになる。
昨夜(4日)、関西防衛を支える会で、2日前まで北朝鮮に砲撃された韓国の延坪島にいた宮島茂樹カメラマンの話を聞き映してきた写真を見た。
その不肖宮島氏の話と、北朝鮮の過去行動をたどれば、北朝鮮は、必ず、次の一手を打ってくるはずである。韓国はその時、反撃する以外に手はない。そうしなければ、李政権はもたない。
すると、どうなるか。
今我が国は何を覚悟しなければならないのか、その為に如何なる準備を進めねばならないのか、想像力と責任感があれば、菅氏は、総理大臣としての自分の肩に重い責務がのしかかっているのを感じるはずだ。
その答えが、4日の「菅日記」だ。日中のほとんどを千葉の農園で過ごし、日が暮れてからのほとんどを帝国ホテルのすし屋で過ごしている。
昨夜の「関西防衛を支える会」にきていた若い兵庫県の県会議員が、「駅前に昨年当選した民主党の衆議院議員が立っていて、マイクで国会での自分の苦労話を嬉しそうににやにや笑いながら、とくとくと話していた、国家のことは何も関心がない様子だった、こいつアホかと思いました」と話した。
その話を聞いていて、街頭での風に乗る味を覚えただけの、無国籍で抜け目のないチルドレンといわれる国会議員の軽佻浮薄な姿を苦々しく思い浮かべた。これら何の見識もないチルドレンといわれる議員を生み出したのが、昨年の総選挙だった。
しかし、本日の「菅日記」を見て、総理大臣の菅自身も、風に乗る味を覚えただけのチルドレンと同じレベルの「市民運動家」に過ぎないと思った。政治家としての中身は、空きカンだ。
さて、今朝の産経新聞、田村秀男編集員の記事には、
「中国が対北朝鮮貿易を増やすたびに、金正日総書記はあらたなトラブルを引き起こす『法則』が読み取れる」と書かれている。
その通りである。今、中国の対北朝鮮貿易は、急速に増加している。中国は既に北朝鮮の、管財人である。
他方、金正日は、一昨年は脳卒中で倒れ、昨年はデノミに失敗して国民の多くを飢餓状態に陥らせて崖っぷちに立ちながら、三代目の襲名を狙い、本年3月には、韓国哨戒艦を撃沈し、11月には延坪島を砲撃した。
次の一手は何か。
北朝鮮の1950年6月25日の本格的南進以外の主立ったテロを概観したい。
1968年1月21日、31人の特殊部隊を朴大統領殺害のために韓国に潜入させる。
同時に、1月23日、アメリカの哨戒艦プエブロ号を拿捕してアメリカ人を人質に取り、アメリカを脅迫して牽制する。
1974年8月15日、在日韓国人文世光を韓国に送り込み、朴大統領を狙撃させる。弾は大統領から逸れて夫人にあたり死亡させる。
1983年10月9日、ビルマを公式訪問してアウン・サン廟を参拝した全斗煥韓国大統領一行の爆殺を企て、アウン・サン廟を爆破する。「ラングーン爆破テロ事件(アウン・サン廟爆破事件)」
1987年11月19日、大韓航空機を爆破させる。
その後は、ミサイル発射と核実験を繰り返す。
金正日は、以上のいずれかをする。いずれも、我が国に重大な影響を及ぼす。
日本海で、日本の漁船及び船舶を拿捕するか、日本に特殊部隊を侵攻させるか、日本にミサイルをぶち込むか、大いにあり得ることである。
何故なら、相手は、国民が飢餓凍死の崖っぷちに立っている健康不安の日本の金を狙っている独裁者であるからだ。
ここにおいて、我が国総理大臣の責務は明らかであろう。
国家と国民を護るために、自衛隊を戦える軍隊として運用するための発想の「転換」を決断すること。それはまず、自衛隊運用の原則を、ポジリストからネガリストに転換することだ。
ポジリストとは、警察のように、法律に書いてあることができて書いていないことはできないという運用原則。
ネガリストとは、法律で禁止していることはできないが書いていないことはできるという運用原則。
今何が起こるか分からない状況下で、我が国の内閣総理大臣は、次の宣言をする。
「以後、自衛隊は、憲法65条の『行政権は内閣に属する』という原則と自衛隊法の『内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮監督権を有する』という規定によって運用する」
アメリカ大統領は、軍隊をアメリカ憲法第二条、第一節「行政権は大統領に属する」と第二節「大統領は軍隊の最高指揮官である」によって運用している。同様に、我が国総理大臣もアメリカと同様に自衛隊を運用するのだ。
この宣言をした上で、総理大臣は、自衛隊の統合幕僚長と陸海空各幕僚長を招集して、直ちに戦時の運用規定(ROE、ルール オブ エンゲイジメント)を作成させる(もう既に内部では作成されているはずだ)。
これが、シビリアンコントロールではないか!
今我が国の総理大臣なら、こういうことをすべきだと何時も思っているので、何もしなかった国会を終えて、千葉県でトマトをついばんでいる菅の姿に慨嘆した次第。
よかったなー、菅氏よ、また鳩山、小沢氏よ。明治でなくて。
明治の日本人なら、生かしてはおかない。
昨日、関西防衛を支える会で、「明治節、明治の日」復活の署名をした。御所市議会議員の若き同志である杉本延博議員が署名簿を持参した。
やはり、今ある「国家の病」を克服するために、明治の精神と明治の日を復活させる必要がある。